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<わけわからない日>20.10.27
図書館からの帰り、もう酒で家に在る薬をありったけ飲み死のうと確信に近い意思を持った。
世界がより一層、クリアのようでだけど極めて平面的になり、普通の世界のようだが破滅を象徴した。
スグ家に向かおうとズンズン歩いてたら、けっこう前を歩いてた人が突然振り返ってこちらを見た。のかは知らんがとにかく後ろを見た。
なんだろと思いつつ、そいつは随分ノタノタ歩くから対向車(人)を避けつつ横を通り過ぎると、念仏のような何事かの呟きがさっきの人から発せられているのを耳がキャッチした。
あー、あのテレパシストよろしくハンズフリーでお電話するヒトか若しくはアブナイ人ね、と無視し先の赤信号で立ち止まる。
と、
「大丈夫ね?」
顔を向けるとどうやら先ほどの男性のようだ。
しきりに「大丈夫ね?大丈夫ね」と繰り返しながら私の顔を見ている。
どうすればいいか分からず、「えぇああ、ハイ」とかアイマイに首を傾けたりしていると、手を差し出し、握手していいと言う。
して良いと言われても、私より大分丈の高い男性は、多分頭が多少どうかしてるか障害のある人の感じがしたが、悪意や変な感じはしない気がして、少しだけ指先に触れた。
その間も、彼は
「大丈夫ね、大丈夫」
とバグったゲームよろしくリピートした。
信号がGoを示し、その人と私は有難いことに?別の道へ進む。
後ろを着けられたりしてたらイヤだなーと気にしつつ、でもそんなことは無いようで一先ず安心した。
部屋のベッドでゴロンしてみると、彼の大丈夫、大丈夫を聞いてわけの分からないモウソウと現実味の無さが落ち、「別に死ななくても良いのかな」と思えた。彼に触れるなら私もちゃんと生きた人間なのだろうし。
私の人生てマジわけわかんねーなと思った。
終
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